
愛犬を可愛く撮るコツスマホだけで、今日から変わる
スマホのカメラはこんなに進化したのに、愛犬の写真だけはなぜかうまく撮れない——ブレる、目線をくれない、なんだか実物のほうがずっと可愛い。そんな経験はありませんか?
じつはこれ、カメラの腕の問題ではありません。犬の写真が難しいのは、「動く」「ポーズしてくれない」「毛色によっては色が潰れやすい」という、犬ならではの理由があるからです。逆に言えば、犬に合わせた段取りさえ知っていれば、いつものスマホのままで写真は見違えます。
我が家には、8歳のボストンテリア・源(げん)がいます。黒い毛はカメラだと表情が潰れやすく、元気に動き回る子でもあるので、私たちもなかなか撮影に苦戦することがあります。この記事では、そんな源と一緒に編集部が実際に試してきた、スマホだけでできる7つのコツをまとめました。

🧼 コツ1|撮る前に30秒だけ下ごしらえ
撮り始める前に、やっておきたいことが2つだけあります。どちらも一度やれば済むものです。
グリッド(画面の格子線)をオンにする
あとで紹介する構図のコツ(コツ6)で使う、画面を縦横3つに割る線です。じつはこの設定、iPhoneとAndroidで置き場所がまったく違ううえ、iPhoneは最近のアップデートで場所が変わって探しにくくなりました。機種別にまとめておきます。
iPhone(iOS 18以降)
- グリッドの出し方
- 設定 → アプリ → カメラ → 「グリッド」をオン。「アプリ」の中に移動したので、設定の下のほうまでスクロールして探してください
iPhone(iOS 17以前)
- グリッドの出し方
- 設定 → カメラ → 「グリッド」をオン
Android(Pixel)
- グリッドの出し方
- カメラアプリを開き、画面隅の「∨」→ その他の設定 → 「グリッドの種類」で3×3を選ぶ
Android(Galaxy)
- グリッドの出し方
- カメラアプリの歯車(設定)→ 「グリッドライン」をオン
iPhoneは設定アプリの中、Androidはカメラアプリの中にある——これが迷いポイントです。オンにすると、撮影画面はこんな見た目になります。

この縦横の線がグリッドです。撮影時の画面に見えるだけで、写真そのものには写りません。線の使い方はコツ6で紹介します。
レンズを拭く
地味ですが、レンズ拭きは効果がいちばん分かりやすいコツかもしれません。犬と暮らしていると、指の皮脂だけでなく、犬が鼻先でツンと触れたり舐めたりして、スマホのレンズは思っている以上に曇っています。白っぽくもやがかかった写真の多くは、これが原因です。
📸 コツ2|一発で狙わず、連写して「選ぶ」

動く犬の決定的瞬間は、「撮る」ものではなく「選ぶ」ものです。プロの動物カメラマンも、大量に撮ってから選んでいます。スマホでも同じ戦い方をしましょう。このあとのコツ全部と組み合わせて使う、いちばんの土台です。
- いちばん確実なのは音量ボタン… 設定 → アプリ → カメラで「音量を上げるボタンをバーストに使用」をオン(iOS 17以前は 設定 → カメラ。コツ1のグリッドと同じ場所です)。以後、音量の(+)ボタンを押し続けている間、ずっと連写(バースト)できます
- 画面でやるなら「触れた瞬間に左へ」… シャッターボタンに触れたら、そのまま素早く左へ引きずって押さえたままにします。ここは少しコツが要って、ゆっくり押し続けると動画(QuickTake)が始まってしまいます。押してから考えず、触れた瞬間にスッと動かすのがポイントです
- 撮ったバーストは、写真アプリの「選択...」から良い1枚だけ残せます
走る・ジャンプ・ブルブルの瞬間はもちろん、カメラ目線(コツ3)も連写と組み合わせるのが確実です。10枚撮って1枚可愛ければ大成功、くらいの気楽さでどうぞ。
LIVE(Live Photos)はどうする?
iPhoneのLIVEは、シャッターの前後1.5秒ずつを動画ごと記録する機能で、初期設定ではオンになっています。撮ったあとに写真アプリの編集から「キー写真」を選び直せるので、「あ、一瞬遅かった…」というときの保険になってくれます。
ただし、動きを狙う本命は連写です。連写は1枚1枚がフル画質の写真として残るのに対し、LIVEの前後から選び直したキー写真は動画のコマなので、画質がひと段落ちます。ふだんはLIVEオンのまま気軽に撮って、「今日は走る姿を撮るぞ」という日は連写——という使い分けがおすすめです。


これは実際に源をバーストで撮って、写真アプリで選んでいるところ。左はブレてしまったコマ、右はきれいに撮れたコマです。同じ数秒の中でも、これだけ差が出ます。画面下のコマ一覧から、お気に入りの1枚にチェックを入れるだけ。
👀 コツ3|目線は「構えてから」もらう
カメラ目線の写真が撮れないのは、順番が逆になっていることがほとんどです。先に名前を呼んでしまうと、犬はこちらに歩いてきてしまったり、呼ばれた数秒後にはもう興味を失っていたりします。
犬は音のした方向に、耳と目を一瞬向ける習性があります。この一瞬を使うために、順番をこうします。
- 1. 先に構図を決めて、シャッターに指を置いて構える
- 2. 構えてから、音を出す(押すとキューキュー鳴るおもちゃ、ビニール袋のカサカサ、口で鳴らす音など)
- 3. 顔が上がった瞬間に撮る——迷わず連写でOK(コツ2)
音への反応は最初の1〜2回がいちばん良く、繰り返すほど慣れて鈍くなります。とっておきの音は、構図が決まるまで温存しておくのがポイントです。
おやつを使う場合は、レンズのすぐ上に持つと、視線がほぼカメラ目線になります。少し横にずらせば「ふとした瞬間」風の目線も作れます。


同じ場所でも、目線が来るだけでこんなに変わります。左はよそ見中、右は構えてから音を出した1枚です。
📐 コツ4|犬の目の高さまで、しゃがむ
立ったまま撮ると、写真は「人が犬を見下ろした」形になります。上からのぞき込むアングルは、遠近感で頭が大きく・体が小さく写ってしまい、いつもの姿とはどこか違う印象に。
しゃがんで犬の目の高さにカメラを合わせるだけで、写真は一気に変わります。犬が見ている世界と同じ高さになるので、表情が主役になり、背景にも奥行きが出ます。
さらに低く撮りたいときは、スマホを上下逆さに持つ小ワザを。レンズが地面すれすれに来るので、寝そべった犬も自然な高さで撮れます。


左は、お散歩中にリードを持ったまま立って撮った1枚——カメラロールで一番よく見る、あの写真です。見下ろす形になって、せっかくの表情が遠くなります。右のように目の高さまで下がると、いつもの源になります。
☀️ コツ5|光は「窓際・自然光」がいちばん
写真の明るさときれいさは、カメラの性能より光で決まります。基本はこの3つです。
- 昼間の窓際がベストポジション… やわらかい自然光は、フラッシュにもナイトモードにも勝ります
- 順光(光を背にして撮る)… 毛色が本来の色できれいに写ります
- 逆光(犬の後ろに光)… 輪郭がふんわり光ってドラマチックに。ただしスマホ任せだと顔が真っ暗になるので、画面の顔をタップして明るさを合わせます
黒い毛の子は「顔をタップして、明るく」
黒い犬が「顔が潰れて表情が写らない」のは、カメラが明るい背景に合わせて全体を暗くしてしまうからです。源もまさにこれ。対策はシンプルに2つです。
- 明るい場所で撮る
- 画面上の犬の顔をタップしてから、横に出る太陽マークを少し上にスライドして明るくする
これだけで、黒い毛の中に埋もれていた目や表情がちゃんと写ります。

顔をタップすると、こんなふうに黄色い枠と太陽マークが出ます(説明のために描き足した図です)。この太陽マークを上へスライドすると、画面がすこしずつ明るくなっていきます。
フラッシュは使いません。目が不自然に光るうえ、急な発光を怖がる子も多いためです。

大きな窓のそばで光が顔に回ると、ここまで写ります。黒い毛でも、目の輝きまでちゃんと届きます。
🔲 コツ6|構図は「グリッドの交点に目を置く」だけ
人物写真でよく言われる三分割法は、犬にもそのまま効きます。コツ1でオンにしたグリッドは、縦2本・横2本の線で画面を9分割していて、線同士がクロスする点が4か所——ちょうど真ん中のマスの四隅にあります。使い方はこうです。
- 犬の「目」を、4つの交点のどれかに置く(顔のアップなら目、全身の引きなら顔全体を、くらいのゆるさでOK)
- 犬の視線や鼻先が向いている側に、余白を残す(右向きの子なら左上の交点に目を置くと、視線の先が空きます)
- 迷ったら、目の高さを上の横線に合わせるだけでも写真は締まります
なぜ真ん中ではなく交点なのか。三分割法は、絵画や写真で古くから使われてきた構図の定石です。主役を中央から少しずらすと画面に余白が生まれ、その余白が視線の向きや動きを語ってくれます。犬の目を交点に置いて視線の先を空けておくと、「何を見ているんだろう」と想像がふくらんで、写真に物語が生まれます。
もちろん、ど真ん中に置く構図(日の丸構図)が悪いわけではありません。正面顔のインパクトを出したいときはむしろ有効です。ただ、全部が日の丸だとアルバムが単調になりがちなので、迷ったら交点——くらいの気持ちで十分です。

グリッドを重ねるとこうなります。源の目はちょうど左上の交点、視線の先の右側にはお水の器と余白。目を交点に置いて視線の先を空けると、「なにか楽しいことが起きそう」な空気ごと写ります。撮るときに間に合わなくても、あとからトリミングで整えられるのも構図のいいところです。
😴 コツ7|寝顔ともぐもぐ——「気づいていない瞬間」を狙う
ここまでは、起きている犬にカメラを向ける話でした。でも実は、いい写真がいちばん生まれやすいのは、犬がカメラに気づいていない時間です。寝顔、おやつに夢中の横顔、あくび、のび——ポーズをお願いできない犬だからこそ、素の瞬間が宝物になります。
- 寝顔は最高の練習台… 動かないのでブレません。構図(コツ6)や光(コツ5)を、ゆっくり時間をかけて試せます。犬の写真の練習は、寝ている間にどうぞ
- 夢中の横顔を、そっと… おやつやおもちゃに集中しているときは、少し離れた場所から気配を消して。声はかけず、カメラだけがそっと近づきます
- 音で起こさない… LIVE(コツ2)がオンだと、シャッター音は控えめな音に変わります。それでも起きてしまいそうなら、ビデオで撮っておいて、あとからいい瞬間をスクリーンショットで残す手もあります

何気ない寝顔ほど、あとから見返したときに「うちの子らしさ」が詰まっています。狙って撮れない分、気づいたときがシャッターチャンスです。
🐾 おまけ|撮影は犬のペースで
最後にひとつだけ。カメラをじっと向けると顔をそむける子がいますが、これは犬の言葉では「じっと見つめる=プレッシャー」だから。無理に追いかけず、スマホを顔の高さから少し外したり、おやつと組み合わせて「カメラ=いいことがある」にしてあげてください。
おやつを使った日は、その分ごはんを少し減らして調整を。遊ばせたあとの、ちょっと疲れて落ち着いたタイミングが、実はいちばんの撮影チャンスです。

💬 よくある質問
じっとさせるより、連写で「動きの中の1枚」を選ぶほうが早道です。おすわりが得意な子は、おすわり→構える→音の順で。遊んだあとの落ち着いたタイミングも狙い目です。
カメラが背景の明るさに引っ張られているのが原因です。明るい場所で、画面上の犬の顔をタップし、太陽マークを上にスライドして明るく。背景を明るい色(白い壁・芝生)にすると輪郭も出ます。
夜に頑張るより、昼間の窓際で撮り直すのが確実です。犬が動くのでナイトモードはブレやすく、フラッシュは目が光るうえ怖がる子もいるためおすすめしません。
レンズをじっと向けられるのは、犬にとって「見つめられている」プレッシャーになることがあります。少し離れて視線を外しつつ構え、音で一瞬だけ目線をもらう方式に切り替えてみてください。
📌 まとめ
- 下ごしらえはグリッドON+レンズ拭きの30秒
- 連写して選ぶ。10枚に1枚で大成功。LIVEは「保険」
- 目線は構えてから音。とっておきの音は温存する
- 犬の目の高さまでしゃがむ。上から撮らない
- 光は昼間の窓際。黒い子は顔をタップして明るく
- 構図はグリッドの交点に目、視線の先に余白
- 寝顔やもぐもぐ——気づいていない瞬間こそシャッターチャンス
7つ全部を一度にやる必要はありません。今日の散歩でひとつ——まずは「しゃがむ」(コツ4)だけでも、写真は変わります。
そして、上手に撮れたうちの子の写真や、「うちではこう撮ってる」というコツがあれば、OsanpoのXかThreadsにメンションして、ぜひ教えてもらえると嬉しいです。
📚 出典・参考
iPhoneの操作と仕様はApple公式のユーザガイドを参照したうえで、実機のiPhoneでも確認しています。設定画面の場所はiOSのバージョンによって変わることがあるので、見つからないときは設定アプリの検索窓から「グリッド」「バースト」を探してみてください。犬の行動については獣医師監修の記事を参照しました。
- Apple「iPhoneのカメラツールを使って撮影を設定する」… グリッドなど、撮る前の設定
- Apple「iPhoneカメラでアクションショットをバーストモードで撮影する」… シャッターボタンの左スワイプ/音量ボタンでのバースト
- Apple「iPhoneカメラでLive Photosを撮る」
- Apple「Live Photosを撮影・編集する」… シャッターの前後1.5秒の記録/キー写真の選び直し
- ワンクォール(獣医師監修)「犬が見つめてくる理由を解説」
- PECO(獣医師監修)「犬が目を合わせる理由とは? また、目をそらされる時はこんなサイン」


