健康
ステンレスの器から水を飲む、黒いフレンチブルドッグ
Hydration健康コラム

夏の水分補給、足りてる?飲まない子の工夫と注意点

Osanpo編集部公開 2026.07.24
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夏になると気になるのが、愛犬の水分補給。朝入れたお水が、夕方になってもあまり減っていない——そんな日は心配になってしまいますよね。

我が家の8歳のボストンテリア・源(げん)は、比較的よく飲むタイプです。それでもドライフードにお水を含ませて、食事から自然に水分がとれるようにしています。

この記事では、どれくらい飲めばいいのかという目安から、足りているかの見分け方、飲む量を増やす工夫、そして気をつけたい飲み方まで、夏の水分補給をまるごとまとめました。水以外に与えるものも出てくるので、安全のための注意点もあわせて紹介します。

📏 1日にどれくらい?

まず、目安の量を知っておくと判断しやすくなります。健康な犬が1日に必要とする水分は、体重1kgあたり50〜60mlが目安とされています。

体重1日の必要量の目安
3kg150〜180ml
5kg250〜300ml
6.5kg(源)325〜390ml
10kg500〜600ml
20kg1,000〜1,200ml

暑い時期や、運動したあと、ドライフードが中心の子は、水分が多めに要ります。表の量の中でも多いほう(体重1kgあたり60ml)を目安にすると安心です。

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ただ、目安がこの量だからといって、ちょうどこの量を飲み水から摂らせなければならないわけではありません。犬は食事からも水分をとっています。ウェットフードには水分が多く含まれていますし、ドライフードでも、ふやかしてあげれば水分を含ませることができます。

🔍 水分不足のサインを見る

じつは源は3年ほど前、尿にストルバイト結晶があり、結石に進行するおそれがあると診断されました。まだ結石にはなっていませんが、それ以来、お水をちゃんと飲めているか、おしっこの量や色はどうかを、以前より気にして見るようになりました。

とはいえ、飲んだ水の量をきっちり測るのは、毎日となると大変です。そこで頼りになるのが、ふだんの様子から気づけるサインです。ここでは、そのとき覚えた「見るポイント」を紹介します。いちばん分かりやすいのは、おしっこです。毎日目にするうえ、色と回数で水分の状態が読み取れます。

健康なおしっこはうすい黄色(レモン色)。水分が足りているとしっかり色がつき、飲む量が増えるほど色はうすくなります。逆に、濃い黄色が続くときは、水分が足りずに尿が濃くなっているサインかもしれません。朝いちばんや運動のあとに一時的に濃くなるのは自然なことですが、一日を通して濃いままなら気にかけてあげてください。

おしっこの色の見本。左からうすいレモン色・うすい黄色(この色が目安)/濃い黄色・茶色っぽい(続くなら水分不足の疑いあり)の4段階

回数もあわせて見ておきたいところです。マーキングを除いた排尿は、成犬で1日3〜5回が目安です(子犬はもっと多く、シニアはやや多め)。回数が減った、量が明らかに少ない、というときも水分不足を疑うきっかけになります。

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ちなみに、色がほとんどない(水のようにうすい)おしっこが続くときは、逆に飲みすぎや、腎臓・糖尿などの病気が隠れていることもあります。濃すぎても、うすすぎても、いつもと違う状態が続くなら受診の目安です。

おしっこ以外にも、体にあらわれるサインがあります。

図解「愛犬の水分不足サイン」:尿の色・回数(うすい黄色と濃い黄色の比較)/うんちの硬さ(コロコロした乾いた便)/歯茎の色(指で押して確かめる)/皮膚のもどり方(首のうしろをつまむ)/元気・食欲の無さ/鼻の乾燥、の6つ
  • うんちの硬さ… コロコロと乾いた便は、腸のなかの水分が足りず、便がかたくなっているサインのことがあります
  • 歯ぐきの色ともどり(CRT)… 歯ぐきを指で軽く押すと、その部分が白くなります。指を離して、ピンク色に戻るまでの時間を見てください。ふだんは1〜2秒ほど。2秒以上かかるときは、脱水やそのほかの不調のサインかもしれません。歯ぐきの色には個体差があるので、元気なときの「その子のふつう」を覚えておくと比べやすくなります
  • 皮膚のもどり方… 背中や首のうしろの皮膚をそっとつまんで離すと、ふだんはすっと戻ります。戻りが遅いときは脱水が進んでいる可能性があります
  • 鼻の乾き… いつもはしっとりしている鼻先が、カサついて乾いているときは、水分が足りていないことがあります
  • 元気・食欲… 水分が足りないと、ぐったりして元気がなくなったり、食欲が落ちたりすることがあります。いつもと様子が違うと感じたら、あわせて気にかけてあげてください

どのサインにも個体差があります。とくに皮膚のもどり方は、シニアの子だと脱水していなくても戻りにくいことがあるので、1つのサインだけで決めず、いくつか合わせて見るのがおすすめです。

⚠ 皮膚の戻りが遅い、ぐったりしている、下痢や嘔吐をくり返している——このときは家で様子を見ずに、動物病院を受診してください。犬は自分の力で脱水から回復するのが苦手な動物です。

💧 基本のおさらい

工夫を試す前に、まず土台の確認です。水分補給の基本は、いつでも新鮮なお水が飲めること。飲み水は1日2回(朝晩)以上、夏はさらにこまめに取り替えます。器のぬめりも、水と一緒に落としておきたいところです。

食事から水分をとる方法も効きます。ドライフードをお水でふやかす、ウェットフード(水分が約75%)を取り入れる、といった工夫は、飲む量そのものを底上げしてくれます。我が家でも、源のフードは水でふやかすのが定番。飲み水が進まない日でも、食事からしっかり水分を補えます。

水の交換頻度に理由があること、器のぬめり(バイオフィルム)に何が効いたかは、おうちの暑さ対策の記事にくわしく書いています。

ソファの上でくつろぐ柴犬
📖 あわせて読みたい
犬の室内暑さ対策・在宅編

🥣 給水の器を見直す

意外と見落としがちなのが、器そのものです。同じ子でも、器を変えるだけで飲む量が変わることがあります。まずは材質から。3章で触れた器のぬめり(雑菌)は細かい傷にたまるので、「傷がつきにくいか」が衛生面のポイントになります。

ステンレス

衛生(傷・雑菌)
傷がつきにくく強い
安定性
軽め(台や重しで対策)
弱点
とくになし

陶器

衛生(傷・雑菌)
なめらかで強い
安定性
重くて安定
弱点
落とすと割れる

プラスチック

衛生(傷・雑菌)
傷がつきやすく雑菌がたまりやすい
安定性
軽い
弱点
噛むと変形。こまめな買い替えを

迷ったら、ステンレスか陶器が無難です。どちらも傷がつきにくく、器のぬめりに悩みにくくなります。

高さと大きさも、飲みやすさに効く

  • 高さ… 低すぎると首を下げるのがつらく、水を避けてしまう子もいます。とくにシニアの子は、台などでラクに飲める高さにしてあげると飲みやすくなります
  • 大きさ… 顔(頭の鉢)がすっぽり入る、余裕のある大きさを。小さすぎると飲みにくく、ひげや顔が縁に当たるのを嫌がる子もいます
🚱 ウォーターノズルは、日常の水飲みには向きません
ケージの給水ボトルのウォーターノズルを舌でなめる犬。うまく飲めずモヤモヤした様子が吹き出しで描かれている

ケージにつける給水ボトルのノズル式は、こぼれにくく、水にホコリやゴミが入りにくいのが利点です。ただ、日常の水分補給には皿タイプがおすすめ。ノズルは1度に出る水が少なく、犬が満足するまで飲むのに皿の2倍以上かかるといわれます。犬はもともと舌を裏に折り曲げて水をすくって飲むので、ノズルの少量ではその飲み方ができず、「飲んでいるようで、実は足りていない」ことが起こりがちです。上を向いて飲む姿勢が、水にむせる原因になることも。

さらに、ノズルやボトルの内部は分解して洗いにくく、こまめに掃除しないと雑菌が繁殖しやすいといわれます。使うなら、毎日の水替えとていねいな洗浄を欠かさないようにしましょう。

ただし、留守番やお出かけ・災害時など、こぼれては困る場面ではノズルが役立ちます。おうちの日常はできるだけ皿で、と使い分けるのがおすすめです。

🍲 風味づけトッピング

お水そのものにほんの少し風味をつけると、進んで飲んでくれることがあります。SNSでも工夫している方を見かけますが、安全のための注意点がとても大切なので、あわせて覚えておいてください。

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ここから紹介する工夫は、あくまで“ときどきの補助”です。毎日の基本は新鮮なお水。代用品を日常的に・多めに与えると、カロリーや塩分・電解質のとりすぎ、栄養バランスの乱れにつながることがあります。

  • ヤギミルク… 栄養が豊富で、牛乳より乳糖が少なく消化にやさしいのが魅力。水やぬるま湯で4〜10倍に薄めて少量から、初めては動物病院が開いている時間帯に
  • 鶏・お肉の茹で汁… お肉の香りで食いつきが上がりやすい。犬用に、無塩・味付けなしで作るのが絶対条件(脂は取り除いて少量に)。気をつけたいのは人間用のスープや出汁を使い回すこと。ねぎ・玉ねぎ・にんにくや塩が入っていることが多く、煮汁に溶け出したねぎ類は中毒の原因になります
  • きゅうり… 95%以上が水分で、低カロリー。小さく刻んで少量から。与えすぎはお腹をこわすことも
  • 無糖のプレーンヨーグルト … 少しの酸味で風味が変わり、食いつきのきっかけに。ほんのひとさじ、風味づけ程度に

ちなみに我が家の源は持病(ストルバイト結晶)があるので、こうしたトッピングは日常ではあまり使っていません。以前ドッグランで、興奮して水を飲まなかった源に、ヤギミルクをうすめてあげたことがあります。おいしそうに飲んでくれて、ホッとしました。ただ、あとで調べると、ヤギミルクは結石のある子には少し気をつけたい食材だと知りました。気になる持病がある子は、かかりつけの先生に確認してからだと、より安心です。

ドッグランの芝生で、舌を出してくつろぐ源(ボストンテリア)

⚠️ お水に足すと危険なもの

同じ風味づけでも、お水に入れてはいけないものがあります。良かれと思って足してしまいがちなものを、1枚にまとめました。

図解「お水に足すと危険なもの」:ねぎ類・にんにく/牛乳/人用のスポーツドリンク/塩・調味料の4つ。いずれも犬用の水の器に赤いバツ印が重ねてある
  • ねぎ・玉ねぎ・にんにく… 中毒を起こします。人間用のスープや出汁に入っていることが多く、煮汁にも溶け出すので、そのまま与えないよう注意
  • 牛乳 … 乳糖でお腹をこわしやすくなります
  • 人用のスポーツドリンク・経口補水液(OS-1など)… 糖分・塩分・電解質のバランスが犬には合いません
  • 塩・調味料 … 味付けは不要です。無塩が基本

初めての食材・飲み物は、必ず少量から試しましょう。

🧃 犬用の水分補給ドリンク

お水以外に、犬が喜んで飲んでくれる専用のドリンクもあります。脱水が気になるときや、シニアの子の備えとして知っておくと便利です。

  • 犬用の経口補水液… 吸収の良いハイポトニック飲料。粉末タイプもあり、熱中症・脱水時の備えに
  • 犬用のスポーツドリンク… 犬の体液に近いイオンバランス。飲みやすい味で、喜ぶ子も
  • 犬用スープ・パウチドリンク… チキンベースなど。持ち運びしやすく、シニアの子にも
  • わんちゃん用の甘酒… 米麹のノンアルコールタイプを選びます(酒粕のものはアルコールを含むため避けてください)。お水より飲みっぷりが良いという声もありますが、カロリー・糖質は高めなので、ごほうび程度にとどめます。体重が気になる子や治療中の子、お米が合わない子は、かかりつけの先生に相談してからだと安心です
  • ボーンブロス(手作り)… 骨や皮、スジを煮出したスープ。“食べられる水分”として、すすめる動物病院もあります。作るときは、塩やねぎ類を入れずに

選ぶときに見るところ

商品はたくさんありますが、見るところは多くありません。パッケージで次の2つを確かめれば、大きく外すことはありません。

  • 「犬用」と書かれているか… 人用のものは、犬には濃すぎます
  • 甘酒なら「米麹」「ノンアルコール」の表示があるか… 酒粕のものはアルコールを含みます
⚠ 犬は自分から脱水を感じて水を欲しがるとは限りません。暑い日は、飼い主が意識して用意してあげることが大切です。

🏠 留守番中の備え

留守番の時間は、飼い主が水の減り方を見てあげられません。だからこそ、出かける前のひと工夫が大切です。

  • 器を2か所以上に置く… ひっくり返しても、もう一方が残ります。犬が行ける範囲の別の部屋にも置いておくと安心です
  • 倒れにくい器にする… 重さのあるものや、底の広いものに変えるだけで、こぼれる事故が減ります
  • 氷を浮かべておく… 溶けながら冷たさが続くので、ぬるい水より飲んでくれることも。ただし冷やしすぎはお腹の負担になるため、水がぬるくならない程度に数個までに
  • 帰宅したら減り方を見る… 毎日見ていると、その子の「いつもの量」が分かってきます。変化に気づく手がかりになります

なお、留守番中の暑さ対策そのもの——エアコンの設定や、犬が行ける範囲の区切り方は、おうちの暑さ対策の記事にまとめています。

🌊 水にまつわる、気をつけたいこと

ここまで飲ませる工夫を見てきましたが、たくさん飲ませればいい、というわけでもありません。水の飲み方そのものにも、気をつけたい点があります。

一気飲みは避けて、こまめに

屋外で、勢いよく水を飲む犬

のどが渇いているからと、いちどに大量の水をがぶ飲みすると、胃が急にふくらみます。犬によっては、胃がねじれてしまう胃拡張・胃捻転という、数時間で命に関わる状態につながることがあります。

  • 運動や散歩の直後… 息が整って落ち着いてから、少しずつ飲ませます
  • のどが渇いている日ほど… 一度にたくさんではなく、何回かに分けて
  • 食後すぐの激しい運動も避ける… 食後1〜2時間は、ゆっくり過ごさせてあげてください

水遊びのあとの「水中毒」にも注意

川やプールでの水遊び中に、遊びながら知らず知らず大量の水を飲んでしまうことがあります。短い時間に飲みすぎると、血液中のナトリウムが薄まって水中毒(低ナトリウム血症)を起こすことがあります。水遊び中はこまめに休憩をはさんで、飲みすぎていないか様子を見てあげてください。

⚠ ふらつき、嘔吐、よだれ、お腹の張り、ぐったりしている——こうした様子が出たら、水にまつわる緊急事態のサインかもしれません。すぐに動物病院を受診してください。

なお、飲みすぎが病気の合図のこともあります。体重1kgあたり100ml以上を飲むようになったり、急に飲む量が増えたりしたときは、腎臓の病気やホルモンの病気、子宮蓄膿症などが隠れていることも。気づいたら動物病院に相談してみてください。

💬 よくある質問

Qお水をあまり飲みません。

まずはフードをふやかす・ウェットフードを取り入れる・器を数か所に置く、といった基本の工夫から試してみてください。それでも足りないときは、ヤギミルクや犬用の補水ドリンクで風味をつけるのも手ですが、こちらは“ときどきの補助”として少量に。急に飲む量が変わったときは、体調の変化が隠れていることもあるので動物病院にご相談ください。

Q人用のスポーツドリンクを薄めればいいですか?

薄めても犬には向きません。人用のスポーツドリンクや経口補水液(OS-1など)は、糖分・塩分・電解質のバランスが犬の体に合わないためです。使うなら「犬用」と書かれたものを選んでください。

Qヤギミルクは毎日あげても大丈夫?

毎日たっぷりは避けてください。牛乳より消化しやすいとはいえ、与えすぎるとカロリーオーバーになります。水やぬるま湯で4〜10倍に薄めて少量から、初めてのときは動物病院が開いている時間帯に試すと安心です。

Q甘酒をあげてもいいですか?

米麹から作られたノンアルコールのものなら少量は大丈夫ですが、カロリー・糖質は高めです(100gあたり約81kcal・糖質17.9g)。酒粕の甘酒はアルコールを含むので避けてください。体重が気になる子や治療中の子、お米が合わない子は、かかりつけの先生に相談してからにしましょう。

📌 まとめ

  • 毎日の基本は新鮮なお水+食事からの水分。器はこまめに替えて、ぬめりも落とす
  • あまり飲まない子には風味づけ(ヤギミルク・無塩の茹で汁・きゅうり・無糖ヨーグルト)を少量から
  • ねぎ類・牛乳・人用スポドリ・塩はお水に入れない
  • 犬用ドリンクは「犬用」表示を確認。甘酒は米麹・ノンアルコールを選び、ごほうび程度に
  • 風味づけも犬用ドリンクも“ときどきの補助”。毎日の主役はお水

飲む量は、その子の体質や食事の内容でも変わります。急に飲む量が減った・増えたときは、体調の変化が隠れていることもあるので、気になったら動物病院に相談してみてください。

📚 出典・参考

この記事は一般的な情報をまとめたもので、獣医師の診断・治療に代わるものではありません。気になる症状や、初めての食材・飲み物については、動物病院にご相談ください。

Osanpo編集部の犬、源
著者
Osanpo編集部
相棒は源(ボストンテリア・8歳)
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